生ピアノは木製楽器なので、温度や湿度、経年月の影響を受け、徐々に劣化していきます。
しかし、100年以上前のピアノがまだ現役で活躍しているように、適切なメンテナンスを行えば、数十年は持つといわれています。
今回は、調律・修理・オーバーホールといった、ピアノのメンテナンス方法についてご説明します。せっかく買ったピアノです。大事にしましょう。
ピアノのメンテナンス方法 調律
昔からある木製のピアノのことを、今は電子ピアノと区別して「生ピアノ」と呼びます。
生が付くだけあって、生ピアノは木製の楽器です。木から作られているため、温度や湿度の影響を受けますし、時が経つにつれて、徐々に劣化していきます。
特に弾く人がいなくなったピアノというのは空き家と同じで、劣化のスピードも速くなるといわれています。
しかし、100年以上も前に作られたピアノがまだ現役で活躍している例もあるように、大切に、丁寧に扱えば数十年は使える楽器です。
ここでは、ピアノをなるべく劣化させないために必要なメンテナンスについてご説明したいと思います。
まず、ピアノをお持ちの皆さんなら一度は耳にしたことがある「調律」。これは、ピアノの弦の張りを調節することで、正しい音に直す作業です。
弦は常にピンと張られている状態なので、月日と共に伸びてしまいます。すると音の高さや大きさが変わってしまうので、それを正しい高さの音に戻す必要があるのです。
ピアノのメンテナンス方法 修理
次にご説明するのは「修理」。
調律師がチェックし、その場で対応してくれる小さなものから、後日改めて対応しなければならない大掛かりなものまであります。
調律はあくまで「ピアノの音程」に関するメンテナンス。修理はそれ以外のメンテナンスと考えると良いかと思います。
具体的には、ピアノ本体や、ピアノ内部の音を出す「アクション」という部分のネジの緩み。
木の傷み具合や弦のサビ、弦をたたくハンマーの先に付いているフェルトの劣化などを直してくれます。
これらは調律中に容易にチェックできるものなので、修理箇所が少ない&手間のかかるものでなければ調律中に修理してくれ、料金も調律代の中に含めてくれる場合もありますが、修理の程度が大きい場合には、別途修理代を請求される場合もあります。
どこまでが無償でどこからが有償なのかは、調律師や請け負う楽器店により違いますので、気になるようなら修理前に問い合わせておくと良いでしょう。
ピアノのメンテナンス方法 オーバーホール
次にご説明するのは「オーバーホール」。
オーバーホールとは、一般的には機械などを分解して点検や修理を行うことをいうのですが、ピアノのメンテナンスで最も大掛かりなものが「オーバーホール」です。
調律<修理<オーバーホールの順で大掛かりになり、日数や修理代がかかります。
主な作業内容は、
- ピアノを分解し、表面や内部のホコリを除去し、専用のクリーナーで汚れをふき取る
- チューニングピンのサビを取る
- 研磨剤などで細かい傷を取り除き、専用ワックスで外装部分のツヤ出しをする
- ペダルや蓋部分のネジなど金属部分のサビ取りや防サビ加工をする
ここまですると、もうほとんど新品の状態に生まれ変われるといるでしょう。
実際ピアノ買取業者によって買われたピアノは、このようなメンテを受けて初めて「中古ピアノ・リニューアルピアノ」として店頭に並べられたり、海外へ輸出されたりしているのです。