今回は、ピアノに似ているけれど、ピアノではない楽器を2つご紹介します。
それはチェレスタとグロッケンシュピールです。チェレスタはくるみ割り人形の「金平糖の踊り」やハリーポッターシリーズの「ヘドウィグのテーマ」で、グロッケンシュピールは「魔笛」で使用されました。
どちらもピアノと似たような見かけをしています。しかし、音色はピアノと違って、鐘の音のような金属音がします。他にも違いはあるのでしょうか。
みなさんはチェレスタという楽器をご存じですか?
みなさんは、チェレスタという楽器をご存じですか?名前だけ聞いて「ああ、知ってるよ」と思う方は結構な音楽通ではないでしょうか?
私事で恐縮ですが、自分は小学生の頃ピアノを習い、中、高、大学とずっと音楽系のクラブに所属していました。
クラシックもかなり聞きこんでいると思っています。しかし、名前を聞いただけでは全くピンときませんでした。
しかし名前こそ知りませんでしたが、このヒントで逆にほとんどの方が「ああ、聞いたことある」となるのではと思います。
チェレスタという楽器は、ピアノのような鍵盤を持っているのですが、鳴る音はまるで鉄琴のごとく、金属性の音がするのです。
代表曲はクラシックなら、くるみ割り人形の「金平糖の踊り」。作曲者チャイコフスキーによってこの楽器は世に広まりました。
そしてもう1つ、ハリーポッターシリーズのテーマソングとして頻繁に流れる「ヘドウィグのテーマ(ヘドウィグの飛行)」。
実際の音を聞きいたければぜひYouTubeなどで探してください。ピアノとは全く違う音色ですよ。
グロッケンシュピールもご存じですか?
さて、もう1つご紹介したいピアノの前身のような楽器があります。それはグロッケンシュピール。
現在、グロッケンシュピールと言えば鉄琴のことを指します。縮めてグロッケンと言えば小学生でもわかる人がいるかも知れません。音楽会では大抵鉄琴パートがありますから。
このグロッケン、今ではピアノとは似ても似つかない姿なのですが、その昔、モーツァルトが生きていた時代には、鍵盤を弾いて音を出すグロッケンが存在したそうです。
それが一時期廃れてしまい、今のグロッケンは音を出す金属の板部分のみが残った形となっています。
鍵盤付きグロッケンシュピールの音も、今のグロッケンと同じで、金属板を叩くような音であり、大きさはおもちゃのピアノほどの大きさで、音域も3オクターブ程度だったそうです。
ピアノという楽器には、親戚がたくさんいるのですね。
比べてみよう!両者の違い
さて、グロッケンシュピールの鍵盤型のものは、モーツァルトの時代に使用されていました。有名なオペラ「魔笛」でも使用されたということです。
チェレスタは時代的には後発の楽器なので、モーツァルトが生きていた時代にはまだ存在していなかったのですが、今「魔笛」ではグロッケンシュピールの代わりにチェレスタが使われることがあります。
理由は簡単、一時期鍵盤型のグロッケンシュピールが廃れてしまい、代用品として使用されるようになったからです。どちらも鐘の音のような金属音で、よく似ていますので。
ただし、グロッケンシュピールが、金属の音板を金属の棒で叩くのに対し、チェレスタはピアノと同じようにフェルトで覆われたハンマーで叩くので、音に若干柔らかさがあるのが両者の違いです。
現在の鍵盤型グロッケンシュピールの鍵盤数は3.5オクターブで、チェレスタよりも少し少ない(チェレスタは4?5.5オクターブ)です。