グランドピアノは弦を地面と水平に張ることで、豊かな音質や表現力を実現した、まさにピアノの完成形とも言えるものですが、弦を水平に張ることで、奥行きが大きくなり、狭い部屋には置けないというデメリットがあります。
グランドピアノを置く場合、一体どれくらいのスペースが必要なのか、畳数、坪数を計算してみました。設置時の参考にどうぞ!
グランドピアノの特徴
電源を必要としない木製のピアノのことを、電子ピアノと区別して「生ピアノ」と言いますが、生ピアノには2つの種類があります。
1つはこれからレッスンを始める人や、趣味でピアノを楽しみたい人にオススメの「アップライトピアノ」。
そしてもう1つが、音大に入りプロのピアニストを目指す人や、アップライトに物足りなさを感じている人にオススメの「グランドピアノ」です。
グランドピアノはピアノという楽器を極めた最終形とも言うべきピアノで、あの独特の曲線は世界三大ピアノメーカーの1つである「スタインウェイ」が作り出したと言われています。
弦を地面と水平に配置することにより、音が横へと広がり、アップライトよりも断然豊かな響きが楽しめ、弾き手のタッチの強弱に敏感に反応し、音の表情を作り上げることも容易です。
ピアノメーカーの技術の粋を集めたピアノですので、当然アップライトよりも高額で、コンサート用に作られたピアノは1000万以上するのが普通です。
グランドピアノの大きさ
グランドピアノは、豊かな音量や響きを実現するため、弦が地面と水平に張られています。このためアップライトピアノと比べると、とても奥行きがあります。
アップライトピアノの奥行きが平均で60?70cm程度なのに対し、グランドピアノは一番奥行きが小さなものでも151cmもあり、アップライトの倍以上です。
ちなみに、ピアノの高さはアップライトピアノの方が高く、グランドピアノが大体100cm前後なのに対し、アップライトピアノは100?以上が一般的で、高いものでは131cmもあります。
あと、間口と言われるピアノの幅は、グランドピアノもアップライトピアノもそんなに違いはありません。なぜなら鍵盤数は、どちらも同じ88鍵盤だからです。
コンサート用に作られたグランドピアノのみ、鍵盤数が多い(97鍵盤)ものがあります。
グランドピアノに必要な部屋の広さ
部屋にグランドピアノを置く場合、どれくらいのスペースが必要なのか考えてみましょう。
例えば、一番小さなグランドピアノ(ヤマハ:GB1K)の場合、間口146?=1.46m、奥行き151?=1.51m。
よって、設置に必要な最低限のスペースは間口×奥行き(1.46m×1.51m)=2.2046?≒2.2?と計算できます。
ただし、これはただ置くだけに必要な部屋の面積。ピアノを弾くことを踏まえ、現実的な面積を計算してみましょう。
ピアノの鍵盤から手前は1m以上、壁とピアノの間は15?以上あけることが望ましいということなので、間口+15cm×2、奥行き+1m+15?として再計算すると必要なスペースは、
{(1.46m+0.15m×2)×(1.51m+1m+0.15m)}=4.6816?
1?=0.6畳(中京間)=0.3坪なので、
4.6816?×0.6=2.81畳≒3畳
4.6816?×0.3=1.40坪
大きな部屋の中にピアノを置くならば、3畳(約1.4坪)のスペースを確保すればグランドピアノが置けるでしょう。
もし、ピアノメインで一部屋を使うなら、家具を置くスペースや人が通る動線、ドアの開閉なども考慮しなければなりません。
最小サイズであるこの機種でも、6畳程度のお部屋が必要になることでしょう。
ちなみにグランドピアノの中でも大きいサイズになると、設置に必要な最低スペースは約7.41?(約4.5畳、約2.2坪)になります。
お部屋のどの位置に、どのような向きで設置するかによって、お部屋の印象やピアノの音の響きも変わってきます。
一度置いたらなかなか動かすことができないピアノ。置く前に、しっかりシュミレーションしてみてくださいね。