ピアノの心臓部と言われる響板。ピアノの音を豊かに響かせるためにあるものですが、あなたは響板が木製である理由を知っていますか?
これを読めば分かります。
響板が果たす役割や木が選ばれる理由、そして響板のトラブルやメンテナンス方法まで。響板についての知識のアレコレを知って、もっとピアノを身近に感じてみましょう。
知っていますか?、ピアノの心臓部と言われる「響板」
ピアノは実に何千もの部品から作られています。もちろんその部品には1つ1つ名前があります。
専門家でもない私たちには知る由もありませんし、知る必要がない、と思われるかもしれません。
しかし、細かな部品名はともかく、ピアノを語るうえで、知っておいた方が良い部品もあります。
例えば
ピアノを購入しようと思ったとき
修理しようと思ったとき
最後に処分しようと思ったとき
ピアノの部品を知っているのと知らないのとでは、業者との話し合いのスムーズさが違います。
そこで今回は、知っておいた方が良いピアノの部品、ということで、ピアノの音にかかわる重要な部品についてご紹介したいと思います。
知らなくても問題はありませんが、知っているとピアノがもっと身近に感じられること間違いありません。今回の部品はピアノの心臓部と言われる「響板」です。
響板の目的は弦の音をより響かせることです
響板とは、ピアノの心臓部に当たる部品で、グランドピアノなら、弦の下にある板のことを、アップライトなら弦の後にある板のことを言います。
響板の目的は、弦の音をより響かせることであり、ピアノの響板は木から作られていますが、これにはちゃんと理由があります。
金属製の棒をたたいた場合、鉄琴の音を想像してもらえば良いのですが、キーンという金属独特の高い音が出ます。このちょっと高すぎて耳障りな音を吸収し、低音だけを響かせるという習性が木にはあるのだそうです。
ピアノのポーンという丸みのある音は、ハンマーがフェルトに覆われているせいもありますが、響板が高くとがった音を吸収してくれているお陰でもあるのです。
ちなみに、各ピアノメーカーは、美しい響きを追及する上で、響板の木の種類にもこだわっており、例えばヤマハはエゾマツ、スタインウェイはアラスカ産のシトカ・スプルースという木を響板に使っています。
中古ピアノを買うときの注意点
さて、ビアノの響きに重要な役割を担う響板ですが、木製であるために、温度や湿度の影響を受けてしまいます。
特に古い時代に作られたピアノは、今よりもずっと湿気の多い環境で作られたため、乾燥した部屋に長時間保管されると、木が縮み、響板の継ぎ目が割れてくることがあります。
響板が割れてしまっても、音の響きに問題のない場合もあります。しかし雑音が入ってしまい、響きが悪くなる場合もあります。その場合は修理が必要です。
響板の修理自体はヨーロッパのアンティークピアノなどではわりと普通に行われているようで、割れ目のスキマに「にかわ(天然の接着剤)」を使い、木片で埋めるという修理方法が一般的です。
中古のピアノを選ぶ際は、響板の割れがないか、割れ目があったとしても、正しく修理されているかを意識して確認しておきましょう。