誰も弾かなくなってしまったピアノは、埃まみれで放置されていてもおかしくありません。しかし、もし買取額をアップさせたいなら、買取前に少しでも綺麗にしておくことが肝心です。
今回は、ピアノのクリーニング方法についてお話ししたいと思います。
ピアノはデリケートな楽器です
鍵盤を押さえるだけで、低音から高音まで88個もの音を出すことのできるピアノ。
うまく弾くためにはもちろんテクニックが必要ですが、初めてピアノに触れる子どもでも、簡単に音を出せるところが、他の楽器とは違い親しみやすく、魅力的な楽器ですよね
そう、ピアノはれっきとした楽器であり、インテリアではありません。
弾かなければ音色は衰えますし、木材や羊毛など、自然の素材を使っているため、年月と共に自然に劣化していきます。
設置場所の温度・湿度管理も大切で、温度は15?25℃まで、湿度は夏:40?70%、冬:35?65%程度がベストだと言われています。
自分でできるピアノのメンテナンス
生ピアノは木製の楽器です。弦やペダルなど部分的に金属も使用していますが、ほとんどのピアノの部品は木でできています。
また鍵盤と連動して弦をたたくハンマー部分には、フェルトが使用されています。
どちらも温度や湿度の影響を受けやすいので、湿度の高い部屋に長い間放置していると、埃の他に、黒色のピアノなら白い斑点のようなものが浮き出ているかも知れません。
この白い斑点の正体は「カビ」です。
カビが表面に発生した場合、当然ですが内部にもカビが発生していると考えてください。
もしピアノにカビが生えてしまったら、表面のものは乾いた柔らかい布で拭きとってください。その後はピアノ専用のツヤ出しなどで磨いてあげるとよいでしょう。
またアップライトピアノなら天屋根のフタを、グランドピアノなら大屋根を開けて、風を通してあげましょう。
そしてピアノ専用の除湿剤を置いてください。ピアノの温度、湿度管理を行ってくれる装置を付けてあげるのも1つの手です。
内部のカビを全て除去するには
残念ながら内部に発生したカビを完全に除去するには、ピアノを分解し、カビの発生した部品をクリーニングしなければなりません。
いわゆるオーバーホールに出し、全体的にメンテナンスをしてもらうのが、一番確実な方法です。
一般的なクリーニングの内容は、
- ピアノを分解し、内部の埃を除去し、専用の洗剤で汚れの拭きとり
- チューニングピン、弦などの錆取り
- 研磨剤で細かなキズを取り除き、専用ワックスでの外装部分のツヤ出し
- ペダルなど金属部分の錆取り、防錆加工
ここまでしてくれて、調律もコミで、値段は大体5,6万?10万円程度(アップライトピアノの場合)です。
高いと思うかも知れませんが、新品のピアノを購入するよりは、随分と安いお値段です。
ここまですると査定額は確実に上がりますが、クリーニング代を下回る可能性もあるので、対応しなくても大丈夫です。