時々ネットの知恵袋(平たく言えば何でも相談室のようなところ)などで、よく見かけるピアノのブランドについての質問があります。
「このブランドはどこのメーカーのピアノなんですか?」というもの。多くは家にある古いピアノについての問い合わせなのですが、実はそれ、日本のピアノメーカーが作ったものなのです。
ヤマハ・カワイ以外にもある!日本のピアノメーカーをご紹介します。
実は日本には、昔たくさんのピアノメーカーが存在していたのです
ピアノメーカー(ブランド)と聞いて、皆さんが思い浮かべるのは何でしょうか?
まず大半の方が「ヤマハ」「カワイ」をあげるでしょう。日本のピアノ製造メーカーとして、海外でも名の知れた2大メーカーです。
また、ちょっとピアノをかじった人なら、コンサートホールなどでよく見る「スタインウェイ」をあげるでしょうか、こちらは世界三大ピアノメーカーの1つです。
ちなみに三大メーカーの他2つは「ベーゼンドルファー」「ベヒシュタイン」です。
しかし、このように有名なブランドのピアノばかりではありません。
実はピアノを作るメーカーは私たちの想像以上に多く、日本だけでも、最盛期(?バブル期)には100社を超えるメーカーがありました。
それらのメーカーは現在多くが廃業しており、時折ネットの知恵袋などで「このブランドはどこのメーカーのピアノなんですか?」と質問されることがあります。
今回はそんなマイナーピアノブランドについて調べてみました。
意外と知らない日本のピアノメーカー
最盛期には100以上あったピアノメーカーも、今はヤマハ・カワイを除けば数社しか現存していません。
その理由は、両メーカー+東洋ピアノ以外は、小規模の工場で職人が1台1台手作りするといった、家内制手工業のような形態を取っており、不景気や少子化のあおりを受けて、廃業するしか道がなかったメーカーが多かったからです。
では、今現存しているメーカーとブランドを少しご紹介します。
※( )内はブランド名です
1.東洋ピアノ(アポロ)
日本ではヤマハ・カワイに次ぐ第3位のメーカーで、1948年に設立されました。職人技を駆使し、アップライトでも迫力・広がりのある響きを実現し、上質の素材を使用したピアノを製作しています。
芸大や音大に指定楽器として使われた「フリッツクーラー」など、有名な機種もあり、中古市場でも人気です。
2.シュバイツァ技研(シュバイツァスタイン)
熟練技術者による限定生産を今も行っているメーカーで、木目の美しい家具調ピアノを多く手掛けています。歯切れの良いタッチ感が特徴です。
3.クロイツェルピアノ製作所(クロイツェル)
ヤマハ・カワイのお膝元浜松で創業60年を数えるメーカーです。こちらも職人の高い技術を生かした手作りにこだわっています。
また廃業した他メーカー(大成ピアノ(ドレズデン)など)のピアノ修理も請け負っているようです。
4.エスピー楽器製作所(シュベスター)
今、ピアノメーカーの拠点は静岡県浜松市ですが、昔は京浜地区にもピアノメーカーがありました。
ここは蒲田にて創業し、現在は静岡県磐田市にある創業80年を迎える歴史の古いメーカーです。
5.ウイスタリアピアノ製作所(ウイスタリア)
こちらも創業は1924年で90年を迎えようとしているメーカーです。蒲田にて創業し、現在は神奈川県の大和市に拠点を移しています。
ピアノ製作、販売、中古ピアノの買取、調律学校の経営なども行っています。
上記のピアノは、生産台数自体が少なく、中古市場に出回ることも多くありません。
買取の値段が付かないこともありますが、職人技が光る逸品が多いので、売らずに修理をして長く弾き続けるのも一つの方法です。
また、すべての業者が買取不可というわけでもないので、辛抱強く評価してくれる業者を探すのもおすすめです。
アルファベットやカタカナで表記されることが多いピアノメーカー&ブランド名。有名メーカーでなければ、日本製か外国製か見分けることさえ難しいところです。
ピアノの買取では、メーカーが重要な要素となりますので、メーカー不明のピアノをお持ちの方は、ネットなどで調べてみてくださいね。