ピアノの寿命には諸説があり、短いものでは3,40年、長いものだと100年以上とも言われています。
ピアノの寿命とは?ピアノの寿命を縮める要因は?そして古いピアノでも新品の頃のような状態に戻る「オーバーホール」とは?ピアノの寿命に関するこれらの疑問にお答えします。
メンテナンス次第で、祖母のピアノを孫が受け継ぐこともできるのです。
ピアノの寿命ってどれくらい?
ピアノの寿命って、一体どのくらいなのでしょうか?
生ピアノは木製の楽器です。木でできているからには月日が経つにつれ、温度や湿度の影響を受け、劣化していきます。
また音を鳴らす弦は金属ですが、こちらも錆びたり、伸びたりして劣化していきます。
ピアノの音に雑音が混じったり、音が鳴らない状態になることを「ピアノの寿命」だとすると、それはいつ頃来るのでしょうか?
色々と調べてみましたが、意見がバラバラで、短いもので3,40年、7,80年、長くて100年以上という答えもありました。
なぜこんなにも開きがあるのでしょうか?
それはピアノの置かれた環境やメンテナンスの差、ピアノの個体差によるところが大きいためです。
劣悪な環境に置かれたピアノは当然早く劣化しますし、逆に調律やクリーニングを行うことで劣化を防ぐこともできるからです。
ピアノの寿命が縮む原因
では、ピアノの寿命が縮む原因にはどんなものがあるのでしょうか?
まず1つめは「温度・湿度の差が激しい」こと。
ピアノは木でできていますので、温度が高いと膨張し、低いと縮みます。湿度が高いと湿気を吸い、それが原因でカビが発生したりします。反対に湿度が低いと割れてしまうこともあります。
日本は高温多湿の夏と、低音低湿の冬がありますので、ピアノにとってあまり良い環境とは言えません。温度も湿度も一定なのが一番なのです。
もう1つは「使用者の使い方が激しい・悪い」こと。
ピアノをわざと乱暴に扱うのは当然ダメですが、ピアニストが練習に使用するピアノのように、一日中弾かれ続け、なおかつ音質などの高い要求に応えるべく、頻繁に調整を行っているようなピアノも早く劣化します。
まさに弾き潰す状態です。これはこれで、ピアノという楽器にとっては幸せなのかも知れません。
ピアノの寿命を延ばす、オーバーホールという手術
ピアノは調律を怠らず、定期的に弾かれているものでも、やはり3,40年経てばどこかが劣化してきます。
人間ならばそのまま年を取り、寿命を待つことしかできません。しかしピアノは若返ることができるのです。
それが「オーバーホール」という修理です。
これは、ピアノを分解し、88鍵分の弦や調律ピンやハンマーなど、内部のほぼ全ての部品を新しく交換し、組み立て直し、調律、調音を行うという、まさにピアノの再生手術です。
きちんとしたオーバーホールを行うことで、ほぼ新品の状態にまで戻すことが可能です。
市場に出回っている中古ピアノ・リニューアルピアノも、オーバーホールされたものが主流です。
ピアノの個体差や劣化の状態により、全てのピアノの状態を回復できる訳ではありませんが、オーバーホールを行い、その後も調律など適切なメンテナンスを行えば、7,80年くらいは弾ける状態を保てるそうです。
祖母のピアノを孫が受け継ぐ、そんなこともできるのです。