アップライトピアノは、グランドピアノを置けないような狭い場所でも、ピアノが楽しめるようにと作られました。
弦を地面と垂直に配置することで奥行きをグランドピアノの半分以下に減らし、スペースの削減を実現しています。
縦に大きなアップライトピアノですが、お部屋に置くとしたらどれくらいのスペースが必要になるのでしょうか?
アップライトピアノについて
アップライトピアノとは、生ピアノ(アコースティックピアノとも言う)の2種類のうちの1つです。
アップライトピアノは、グランドピアノを置くスペースが確保できない場所でも、ピアノが楽しめるように作られました。
ですからグランドピアノとの違いは、その大きさにあります。アップライトピアノはグランドピアノより背が高く、大きなもので131cmほどあります。
これは弦を地面と平行ではなく、垂直に配置しているからです。その分高さが必要になるため、背が高くなってしまったのです。
もう一方のグランドピアノは、アップライトより背は低いのですが、その分奥行きがかなり長くなります。理由は音を出す弦が、地面と平行に配置されており、弦の長さの分奥行きが必要だからです。
アップライトピアノの大きさ
アップライトピアノと一口に言っても、その大きさにはいくつかの種類があります。
余談になりますが、アップライトピアノは、厳密に言うと高さが120cm以上のものを指すそうです。
それ以下の高さの縦型ピアノには、高さや打鍵の仕組みに応じて、コンソール、スピネットピアノと別の名前が付けられています。
さて、大きさの種類ですが、121?系と131?系があります。
121?系:高さ=121?、間口=147?153?、奥行き=60?64?
131?系:高さ=131?、間口=152?156?、奥行き=64?68? (ヤマハの場合)
アップライトピアノの背が高いのは、弦を地面と垂直に張っているからと説明しましたが、これにより、ハンマーが弦をたたいて戻る際、重力でなくバネを使うため、鍵盤が戻りにくく、トリルなどの連続音が出しにくいなどの特性があります。
それでもグランドピアノの最小タイプと比べても、奥行きが半分以下というのは、スペース的にかなり節約できますね。
アップライトピアノに必要なスペース
アップライトピアノを置く場合、どれくらいのスペースが必要なのか考えてみましょう。
例えば121?系のアップライトピアノ(間口1.47m 奥行き0.6m)の場合、ただ置くだけなら必要スペースは
間口1.47m×奥行き0.6m=0.882?≒0.88?
となります。
しかし、実際にピアノを使用することを考えると、ピアノの裏側と壁との間は15?(0.15m)以上が望ましく、調律などのメンテナンスには左右それぞれ50??60?(0.5m?0.6m)が必要です。
さらに、鍵盤の前に座って弾くことを考えて必要なスペースを60?(0.6m)と見積もります。これで再計算すると、
{(1.47m+0.6m×2)×(0.6m+0.15m+0.6m)=3.6045?≒3.6?
もう少しなじみのある単位に変えてみましょう。1?=0.6畳(中京間)=0.3坪なので、
3.6045?×0.6=2.1627≒2.2畳
3.6045?×0.3=1.0813≒1.1坪
となります。大きな部屋にピアノを置くならば、ピアノ用に約2.2畳(約1.1坪)のスペースを確保すれば大丈夫です。
もし、ピアノをメインで部屋に置くならば、ドアの開閉、必要な家具の設置を考慮しても4.5畳あれば十分でしょう。部屋の形状や大きさにもよりますが、ベッドや学習机がある子ども部屋でも置けそうです。
ちなみに131?系の場合、必要なスペースは121?系から3?4?大きくなるだけなので、スペース的には121?系と同一と考えても問題ないでしょう。
最後に、ちょっとした豆知識としてグランドピアノ(コンパクトタイプ)を置くのに最低限必要なスペースは約3畳です。
アップライトピアノとグランドピアノ、見かけも圧迫感も大きく違いますが、置くのに必要なスペースはそれほどの差はないんですね。