ピアノを買取に出すとき、最も気になるのはいくらで買取ってもらえるのかということ。
おうちにあるピアノについて、「ちょっといいピアノだよ」と聞いたことがあれば期待も膨らみます。
こちらでは、買取価格アップが期待できる、鍵盤の材質についてご紹介します。
知っていますか?ピアノ鍵盤の歴史
ピアノには、白鍵と黒鍵があります。白鍵をナチュラルキー、黒鍵をシャープキーと言い、黒鍵は白鍵の半分位の長さしかありません。
実はこの配色が全く逆の時代があったことをご存じですか?
ピアノの原型は、14世紀頃に作られました。このとき、ナチュラルキーには普通の木の板や牛の骨、シャープキーには黒檀という黒い木が使われました。
つまり最初は今と同じ配色だったのです。
ところが、ナチュラルキーは使い続けるうちに、劣化により黒ずみ、シャープキーとの区別がつきにくくなるため、次に象牙が材料として使われ始めました。
ただその頃から象牙は高価な代物で、ナチュラルキー全部に使うとなると費用が膨大に膨れ上がってしまうため、小さい方のシャープキーに象牙を、ナチュラルキーに黒檀を、と配色を入れ替えるようになったそうです。これが18世紀頃まで続きました。
産業革命以降は、富裕層たちが贅沢品を求めたため、ナチュラルキーに象牙を使ったものが再び好まれるようになりました。そこでまた配色が入れ替わり、それが現在まで続いているのだそうです。
それぞれの材質の特徴?白鍵(ナチュラルキー)?
さて、現在ピアノの鍵盤にはどんなものが使われているのでしょう?
まず、白鍵(ナチュラルキー)に使われているのは、
- 象牙
- アクリル樹脂
- 人口象牙
などです。
象牙は汗で滑りにくく、指が吸い付くような感触が特徴です。今でも高級ピアノの白鍵の素材として使われています。
しかし、象牙には汚れがつきやすい、破損しやすいという弱点があり、今は動物保護の意味でも使われることが少なくなっています。
アクリル樹脂はプラスチックの一種です。その特徴は象牙に比べ強度があり、汚れにくいということ。ただし汗で滑りやすいという弱点があります。安価で丈夫なので、子どもの練習用ピアノの素材としては最適です。
人口象牙は、ワシントン条約により象牙の輸入が制限され、入手しにくくなったために、その代替品として作られたもので、プラスチックの一種です。アクリルよりも汗で滑りにくく、かつ象牙よりも強度はあるという特徴があります。
素材としては、象牙が最も高価なので、買取価格も高くなりますが、ひび割れや汚れなどにより、査定額が下がってしまう場合もあります。
それぞれの材質の価格?黒鍵(シャープキー)?
次は黒鍵(シャープキー)の素材です。
- 黒檀
- 紫檀
- アクリル樹脂
- 人口黒檀
などがあります。
黒檀は昔から銘木として知られる、文字通り漆黒の色をした木材であり、ピアノの黒鍵の素材としては最高級の素材です。汗で滑りにくいという特徴は、もともと白鍵よりも滑りやすい黒鍵の材料として最適です。
紫檀も黒檀と並び、銘木の1つですが、色が赤みを帯びた茶色なので、それに黒を着色して黒鍵として使っています。耐久性に優れ、黒檀と同様に黒鍵の素材として適しています。
アクリル樹脂は白鍵と同様、安価で丈夫なことが一番の特徴です。ただし汗で滑りやすいので黒鍵の素材としてはあまり適していないと言えるかもしれません。
人口黒檀はプラスチック製の人工黒檀(ファインエボニー)や黒檀調(天然目に特殊加工をしたもの)などがあります。どちらも汗に滑りやすいアクリル樹脂の欠点をカバーし、吸水性に優れています。
素材としては黒檀が最も高価なので、ピアノ買取価格も高くなります。
お手持ちのピアノの鍵盤が、象牙や黒檀なら買取額アップが期待できます。ぜひ、買取時は業者に伝えてくださいね。