もともとピアノは貴族の高価な贅沢品で、特別注文が当たり前でした。しかし大量生産が一般的になった今でも、ピアノを自分好みにカスタマイズすることは可能です。
色、素材、装飾、音色など全てに拘った「特注ピアノ」。そのメリットとデメリットを調べてみました。100%自分好みか、次を考え妥協するか、それが問題です。
もともとピアノは特注が当たり前でした
みなさんは「特注ピアノ」と聞くと、どんなピアノを思い浮かべますか?
自分が真っ先に頭に描いたのは、昔どこかの博物館で見た、ピアノの側面や天板に精工な絵画がびっしりと描かれたアンティークピアノでした。
もともとピアノは貴族階級の人たちの間に広まった、言わば贅沢品。職人に依頼して贅沢な材料を使い、自分好みの装飾を施し、自分好みの色に仕上げ、納品させる特別注文が当たり前でした。
値段も高く、当時は家が一軒買えてしまう程のものも多かったそうです。
今は大量生産ができるようになり、私たち日本人にはおなじみの、黒くてシンプルなピアノが多く出回るようになりましたが、今でも自分好みの特注ピアノを作ることは可能です。あ、もちろんお金はかかりますよ。
ピアノのカスタマイズ方法
今の特注ピアノには、2種類のものがあります。
1つはフルオーダーメードと言って、ベースの機種を使い、色やパーツを自分好みにカスタマイズするものです。
色やピアノに施す文字、譜面台や側面の装飾やレリーフ、鍵盤の材料をより高価なものに変える外装的なカスタマイズから、アクションの動き、鍵盤の深さ、音色など内部的なカスタマイズも施すことができます。
お値段はベースの機種=100万程度+カスタマイズ料金になります。
もう1つはコンセプトモデルと言って、ある程度デザインが確定しており、注文できる部分が少ないものです。
フルオーダーメードよりもお買い得で、人気キャラクターとコラボしていたり、色だけを変えることができたりします。値段は120万程度からあります。
そこまでのカスタマイズはなくても、消音機能を付ける、タッチを軽くする装置を付けるなども、ある意味特注ピアノと言えます。
特注ピアノのメリット・デメリット
これら特注ピアノのメリットは、100%自分の好み通りのピアノに仕上げることができることです。
色、形、音色、どれも満足できるものに仕上げられるのが最大の魅力です。
逆にデメリットは、カスタマイズすればするほど値段が上がること、そしてあまりにカスタマイズしすぎると、それを欲しがる人が限定されるため、値段をかけた割には高値で売れない場合があることです。
買取業者が欲しいのは、できるだけ多くの人のニーズに合ったピアノなので、これは仕方ないことかも知れません。
ただし、消音機能や自動演奏機能のついたピアノに関しては、査定額アップの可能性があります。
グランフィール、タッチレールなど、音色やタッチ感をよくする装置についても、壊れていなければ査定の対象になり、査定額アップにつながることがあります。
100%自分好みか、次のことを考えて妥協するか、それが問題ですね。