ピアノは木製楽器であり、何千ものパーツから構成されている精密機械のようなものでもあります。
ですから年月を経て、劣化やその他の原因で、故障してしまうこともあります。
しかし、ピアノの査定をする際、故障やキズの有無はあまり査定の結果に影響しません。なぜ壊れたピアノでも買取ってくれるのでしょうか?その秘密は買取後の修復にあります。
ピアノの故障には、こんなものがあります
ピアノは木製楽器であり、尚且つ金属の弦を含めた何千ものパーツから構成されている精密機械のようなものです。
ですので温度・湿度の影響を受け、中のパーツも経年や使用により劣化し、故障します。
ちなみにピアノの故障にはこんなものがあります。
1.鍵盤周辺やアクションの劣化による故障
鍵盤を弾き続けることにより、鍵盤周辺のクロスやハンマークッションがすり減り、打鍵時にガタガタ音がしたり、鍵盤が揺れたり、下に下がったまま上がってこなくなる。
2.鼠害
文字通り、ネズミによる害。なぜかネズミはピアノの中に巣を作りたがり、そうするとピアノ内部のフェルトやクロスを寝床として使ったり、木をかじったり、糞尿で汚したりする。
3.虫害
衣類を食べる虫がピアノにつくとフェルトやクロスを食い荒らし、1.と同じような事象が起こったり、まれに木をかじる虫がつくと、本体や鍵盤を食い荒らす。
4.多湿・過乾燥
音が鳴らなくなったり、雑音が聞こえたりする。また多湿の場合カビが発生する。
多少のキズや故障なら、査定額に影響はありません
ピアノは年数が経つと劣化するのはある意味仕方のないこと。ですから古いピアノを処分する際、故障やキズがあるのできっとタダ同然で引き取ってもらうしかないんだろうな?、と多くの方は思いがちです。
しかし、それは間違っています。
ネズミや虫に食い荒らされた、火事にあって焼けてしまった、洪水で水を被ってしまったなど、ピアノの破損の度合いがひどい場合を除き査定対象となります。
日常生活でついてしまったキズや、音の出ない鍵盤があるなどの故障は、業者によって若干の違いはありますが査定対象となることが多くあります。
例えば、「ピアノ一括査定」サイトなどで、入力が必須の項目は、ピアノメーカーや種類、品番やペダルの数などで。任意の項目にキズの有無などピアノの状態を入力する欄はありますが、あくまで任意であり、入力しなくても査定結果を出してもらえます。
つまりピアノの状態は、査定額にはあまり関係がないのです。ピアノの状態を入力する欄自体がない一括査定サイトもあります。
キズや故障があっても、ピアノを買取ってくれる訳
なぜ、キズや故障があっても、ピアノの査定額はあまり変わらないのでしょうか?
それは、買取ったピアノを中古ピアノとして新たに売り出すために、大規模な修復を行うからです。
業者によっては、そのまま転売するところもあるようですが、基本は自社工場へ搬送し、オーバーホールを行います。
オーバーホールではピアノを分解し、外装の研磨やキズの修理、内部の弦やネジなどのさび取り、フェルトやクロスの張替、清掃、調律など、ほぼ全ての部品のチェックや交換を行います。
オーバーホールはキズや故障の有り無しに関係なく、ほぼ全てのピアノに対して行われています。
よって、キズや故障は全てきれいになり、新品同様の外装・性能によみがえって中古ピアノとして売りに出されるので、買取前のキズや故障は査定に影響しないのです。
ちなみに修理できないほど故障度合いのひどいピアノは、分解し使える部品だけをリサイクルするそうですよ。