ピアノは弦楽器の中で、唯一専門家にしか調律のできない楽器です。ピアノの調律は音程を正しく合わせるだけでなく、鍵盤のタッチ感の調節や音のバランスなども整える作業です。
定期的な調律が必要なのはわかりますが、ピアノの調律はどれくらいの頻度で行うのが良いのでしょうか?またピアノを売る前に調律をした方がいいのでしょうか?
調律はピアノをベストな状態に保つため行います
生ピアノをお持ちの方なら、必ず聞いたことのある「調律」という言葉。
ピアノはハンマーで弦をたたいて音を出す弦楽器で、弦楽器には、他にバイオリンやギターなどがありますが、ピアノ以外の弦楽器は、調律を自分が行うのが基本です。
ピアノだけが調律師という専門家でなければできない理由は、ピアノが精密機械のように多くの部品からできていて、音の調節が難しく、演奏者が自ら調律を行うのは無理だからです。
さて、調律ではどのようなことを行っているかというと、大きく分けて3つの作業があります。
- 調律:ピアノ内230本の弦のチューニングピンを回し、弦の張力を調整し音程を正しく合わせる。
- 調整:打鍵機構(アクション)を調節し、鍵盤のタッチを演奏者の希望に沿う最適なタッチにする。
- 整音:弦をたたくハンマーの状態をチェックし、音色や音量をバランスよく整える。
これだけの作業を行うため、定期的に調律を行っているピアノでも1?2時間半はかかります。
調律の頻度はどれくらいがベスト?
ピアノの弦は、バイオリンのように使わないとき緩めたりすることができず、常に張り詰めた状態にあります。
常に負荷がかかっているため、時間の経過と共に弦が伸び、音程が変わっていきます。
調律の期間はどれくらいがベストなのでしょうか?
諸説ありますが、
- 出荷したての新しいピアノなら、半年に1度
- 比較的音程が安定している一般家庭のピアノなら1年に1度
- 音大生やプロなどヘビーユーザーが使うピアノやグランドピアノならやはり半年に1度程度
このような調律が必要なようです。
定期的に調律を行うことで、フレームと弦が安定し、音程が狂いにくいピアノになります。
また、弾かなくなり放置されたピアノはカビや虫が発生しやすく、劣化が早くなるといわれていますが、定期的に調律を行うことによりそれらのトラブルを軽度の状態で発見し、対処できます。
買取前の調律は必要?
そうはいっても、誰も弾かないピアノに、毎年1万数千円?数万の調律代を支払うのは勿体ない気がして、もう何年も調律をしていない、そんなピアノも多いと思います。
ピアノを売る前に、調律はしておいた方がいいのでしょうか?長い間調律していないピアノだと、買取額が下がったりするのでしょうか?
答えは…買取業者によります。
基本的に買取ったピアノは、中古ピアノとして市場に出回る前にオーバーホールといって、外装から内部まで総点検を行い、できる限り新品の頃の状態に戻されます。
その際、調律も必然的に行いますので、事前に調律をしているかどうかはあまり関係ありません。ですので買取額に調律の有無は影響しません。
しかし、ピアノを他の買取業者に転売する目的で買取をしている業者にとっては、調律を行っているピアノの方が高く売れる可能性があるので、調律の有無で買取額を変える場合があります。
長く調律を行っていないピアノは、契約の前に買取業者に確認すると良いでしょう。
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